2011年 10月 01日
狼は帰らず——アルピニスト・森田勝の生と死 |
狼は帰らず——アルピニスト・森田勝の生と死
佐瀬稔著
山と渓谷社
2000年12月10日刊
定価(本体1600円+税)
1937年に生まれ、1980年にアルプスのグランド・ジョラスで転落死した登山家・森田勝の一生を辿る一冊。初版は1980年。
貧しく、学歴もなく、コンプレックスを抱えていた男は、登山で結果を出して自分を支えようとした。ひたすら山に登り続け、山に生き場所を求めた。孤高の登山家に人が期待する高い精神性を有していたわけではない。さびしがりやで人なつっこく、そのくせ空気が読めずに衝突を繰り返しては人を遠ざけた。目立ちたい、人に先んじたい、という俗な欲求も強く、自分が理想とする登山のためには人の迷惑を顧みず、登山隊のなかで規律違反さえ犯した。彼を嫌い、否定する人も少なくない。しかし、山に懸ける純粋な想いだけはだれもが認めるところであった。どうしょうもなく不器用で一途な山男の姿が浮かび上がる。
健康登山がせいぜいの私には、この本に描かれているような登山は無縁の世界だが、限界に挑む男たちの生き方に心惹かれた。
『神々の山嶺』の主人公・羽生丈二のモデルであもある。
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佐瀬稔著
山と渓谷社
2000年12月10日刊
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1937年に生まれ、1980年にアルプスのグランド・ジョラスで転落死した登山家・森田勝の一生を辿る一冊。初版は1980年。
貧しく、学歴もなく、コンプレックスを抱えていた男は、登山で結果を出して自分を支えようとした。ひたすら山に登り続け、山に生き場所を求めた。孤高の登山家に人が期待する高い精神性を有していたわけではない。さびしがりやで人なつっこく、そのくせ空気が読めずに衝突を繰り返しては人を遠ざけた。目立ちたい、人に先んじたい、という俗な欲求も強く、自分が理想とする登山のためには人の迷惑を顧みず、登山隊のなかで規律違反さえ犯した。彼を嫌い、否定する人も少なくない。しかし、山に懸ける純粋な想いだけはだれもが認めるところであった。どうしょうもなく不器用で一途な山男の姿が浮かび上がる。
健康登山がせいぜいの私には、この本に描かれているような登山は無縁の世界だが、限界に挑む男たちの生き方に心惹かれた。
『神々の山嶺』の主人公・羽生丈二のモデルであもある。
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by booktrain
| 2011-10-01 13:50
| ●自伝・評伝