2011年 07月 05日
天使と宇宙船……なんとなく懐かしいSF短編集 |
フレドリック・ブラウン著
小西宏訳
創元SF文庫
1965年3月26日
定価:本体466円+税
ある星を訪問中に殺人を犯し、死刑を宣告された男。その星の習慣で、死刑前夜はなまめかしい美女と豪華な酒食の宴でもてなされること、そしてその星の一夜は、地球人の自分にとって93年の長さがあることを知り、そっと口笛を吹いた。(「死刑宣告」)
そんな超短編(2ページ完結のショート・ショート)8編と、もう少し長い短編8編からなるSF短編集。原稿をセットすると勝手に活字を拾って印刷する印刷機が、原稿の内容に感化されて暴走を始める「諸行無常の物語」、宇宙人の侵略(?)によって電気が使えなくなった地球の暮らし(そう悪いものじゃない)を描いた「ウァヴェリ地球を征服す」など、いまから半世紀近く前に書かれた時代批判を含む空想小説は、日に焼けたページから立ち上がる活字の臭いとあいまってどこかなつかしく、人間が「現代文明」に覚える違和感や不安は、今も昔も変わらないということを感じさせられます。
著者による「序」に、ファンタジーとSF小説の違いについて書かれている。それによると、ファンタジーに出てくる超自然的なものに科学的な説明をほどこしたものがSF、ということになるらしい。本書の何編かはファンタジーに分類されるべきかもしれない。
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ある星を訪問中に殺人を犯し、死刑を宣告された男。その星の習慣で、死刑前夜はなまめかしい美女と豪華な酒食の宴でもてなされること、そしてその星の一夜は、地球人の自分にとって93年の長さがあることを知り、そっと口笛を吹いた。(「死刑宣告」)
そんな超短編(2ページ完結のショート・ショート)8編と、もう少し長い短編8編からなるSF短編集。原稿をセットすると勝手に活字を拾って印刷する印刷機が、原稿の内容に感化されて暴走を始める「諸行無常の物語」、宇宙人の侵略(?)によって電気が使えなくなった地球の暮らし(そう悪いものじゃない)を描いた「ウァヴェリ地球を征服す」など、いまから半世紀近く前に書かれた時代批判を含む空想小説は、日に焼けたページから立ち上がる活字の臭いとあいまってどこかなつかしく、人間が「現代文明」に覚える違和感や不安は、今も昔も変わらないということを感じさせられます。
著者による「序」に、ファンタジーとSF小説の違いについて書かれている。それによると、ファンタジーに出てくる超自然的なものに科学的な説明をほどこしたものがSF、ということになるらしい。本書の何編かはファンタジーに分類されるべきかもしれない。
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by booktrain
| 2011-07-05 23:15
| ●小説・物語