2010年 07月 18日
モンスター |
モンスター
百田尚樹
幻冬社
醜い顔に生まれついた女性が、整形手術を繰り返して美貌を手に入れ、かつて自分を「モンスター」と嘲った故郷の町に別人となって”凱旋”を果たす。自分を貶めた男たちに復讐し、かつて片思いに身を焦がした男を誘惑し、ひざまずかせる。そうして彼女が得たものは……。
「美人」でなくては生きて行けないという現代の残酷な(一面の)真実、整形手術の是非をめぐるさまざまな見解と詳細な情報(けっこう興味深い)などが、主人公の一人称で語られる。物語上手の著者の手で、一気に読めるライト・ホラー(という言い方があるかは知らないが)なエンターテインメントに仕上がっている。そこそこ楽しめました。自分でないものを求めて暴走する衝動こそが「モンスター」なのかもしれない。
整形手術(とくに一重まぶたを二重まぶたにする程度の簡単なもの)は化粧の延長みたいなもので、私自身はまったく否定する気はない。美しくありたいと思う女心はいじらしく、悩んだ末にこっそり整形したというような女性は、むしろ好ましいとさえ感じる。しかし、適当なところで止められるなら、である。「モンスター」に取り憑かれると、たしかにモンスターのようなおぞましい顔に成り果てる危険性はある。(本書の結末は顔が崩れるというようなことではないので念のため。)
●ご用とお急ぎでない方はワンクリックをお願いします。
百田尚樹
幻冬社
醜い顔に生まれついた女性が、整形手術を繰り返して美貌を手に入れ、かつて自分を「モンスター」と嘲った故郷の町に別人となって”凱旋”を果たす。自分を貶めた男たちに復讐し、かつて片思いに身を焦がした男を誘惑し、ひざまずかせる。そうして彼女が得たものは……。
「美人」でなくては生きて行けないという現代の残酷な(一面の)真実、整形手術の是非をめぐるさまざまな見解と詳細な情報(けっこう興味深い)などが、主人公の一人称で語られる。物語上手の著者の手で、一気に読めるライト・ホラー(という言い方があるかは知らないが)なエンターテインメントに仕上がっている。そこそこ楽しめました。自分でないものを求めて暴走する衝動こそが「モンスター」なのかもしれない。
整形手術(とくに一重まぶたを二重まぶたにする程度の簡単なもの)は化粧の延長みたいなもので、私自身はまったく否定する気はない。美しくありたいと思う女心はいじらしく、悩んだ末にこっそり整形したというような女性は、むしろ好ましいとさえ感じる。しかし、適当なところで止められるなら、である。「モンスター」に取り憑かれると、たしかにモンスターのようなおぞましい顔に成り果てる危険性はある。(本書の結末は顔が崩れるというようなことではないので念のため。)
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by booktrain
| 2010-07-18 10:28
| ●小説・物語