2010年 06月 11日
かたみ歌 |
かたみ歌
朱川湊人
新潮文庫
定価(本体438円+税)
東京下町のアカシア商店街で起こる、死者と生者の不思議な交流を描いてしみじみと味わい深い連作集。
マイベストは「栞の恋」。心惹かれた男が古本屋で読んでいた本に、彼はまた続きを読みにくると考えて小さな手紙をはさんだ娘。数日後、その本を開くと、男からの返信がはさまれていた。本にはさむ栞(しおり)で互いの想いを何度か伝えあったある日、娘が店番をする酒屋にその男が買い物にやってくる。恋人らしき女といっしょに。粗雑な言動を見て、娘は栞の男ではないと確信する。それでは本にはさむ栞で文通した相手は誰か?……ミステリー的興味もあるので、グッと我慢して、ここまでにしておきます。
小さな商店街の心の動きをすべて見通しているような、古本屋の老店主が7つの話すべてに顔を出す。若いころ、無理解から妻を死に追いやった彼の人生は苦いが、思いがけず訪れた赦しは読む者にもうれしい。
●ご用とお急ぎでない方はワンクリックをお願いします。
朱川湊人
新潮文庫
定価(本体438円+税)
東京下町のアカシア商店街で起こる、死者と生者の不思議な交流を描いてしみじみと味わい深い連作集。
マイベストは「栞の恋」。心惹かれた男が古本屋で読んでいた本に、彼はまた続きを読みにくると考えて小さな手紙をはさんだ娘。数日後、その本を開くと、男からの返信がはさまれていた。本にはさむ栞(しおり)で互いの想いを何度か伝えあったある日、娘が店番をする酒屋にその男が買い物にやってくる。恋人らしき女といっしょに。粗雑な言動を見て、娘は栞の男ではないと確信する。それでは本にはさむ栞で文通した相手は誰か?……ミステリー的興味もあるので、グッと我慢して、ここまでにしておきます。
小さな商店街の心の動きをすべて見通しているような、古本屋の老店主が7つの話すべてに顔を出す。若いころ、無理解から妻を死に追いやった彼の人生は苦いが、思いがけず訪れた赦しは読む者にもうれしい。
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by booktrain
| 2010-06-11 00:25
| ●小説・物語